
日本の旬を味わう
旬に耳を澄まし、一皿を丁寧に仕立てる。

ある日の夕食献立

先付け
その日の献立の一例として、器とともにお楽しみいただく三品をご紹介します。
四角の器には、恵那市の農家より直接仕入れるさつま芋を贅沢に使った羊羹を。芋本来の甘みと香りを生かし、余計な甘さを抑えた素朴で上品な味わいに仕立てています。
赤い器には、きん魚の名物「カリカリ豆」。国産大豆とじゃこを香ばしく揚げ、甘辛のたれで和えた一品は、箸休めとしても酒肴としても親しまれています。
白い器には、タコのやわらか煮。低温でじっくりと蒸し上げることで、歯切れの良さを残しつつ、芯までやさしく火を通しました。出汁の旨みが静かに染み込む、きん魚らしい滋味深い一品です。
銀杏もちの椀
椀物としてご用意するのは、地元で採れた銀杏をふんだんに使った「銀杏もち」。丁寧に下処理した銀杏を、わらび粉と上質な出汁で練り合わせ、なめらかでやわらかな口当たりに仕立てています。椀の蓋を開けた瞬間、立ちのぼるのは銀杏のほのかな苦味と、澄んだ出汁の香り。その香りが空間に広がり、これから始まる食事の流れを静かに告げます。噛みしめるほどに広がる滋味と、余韻まで計算された味わいは、派手さはなくとも心に残る一椀。きん魚が大切にする、季節と向き合う料理の姿勢を感じていただける一品です。


お造り3点
おつくりは、その日最良の三点をご用意いたします。天然本マグロは、しっとりとした舌触りと深い旨みが特長。車えびは身の張りと甘みを大切に、素材本来の力を引き出します。もう一品は、中津川市・美坂で養殖されている「美坂サーモン」。店内で活けた状態からその日に捌くため、特有の臭みがなく、澄んだ脂とやわらかな身質をお楽しみいただけます。切り付けや厚みにも心を配り、それぞれの持ち味が最も引き立つよう整えています。静かな仕事が生む、清らかな味わいをお楽しみください。
蓋物 海老芋の揚げ出し
蓋物としてお出しするのは、旬を迎えた海老芋の揚げ出しです。まず海老芋を丁寧に下処理し、旨みを閉じ込めるように蒸し上げ、芯までとろけるほどに柔らかく仕立てます。その後、衣をまとわせて油で揚げ固め、外は香ばしく、中はなめらかな食感を残しました。ひと口含むと、蒸すことで引き出された海老芋特有の甘みが、出汁とともにやさしく広がります。衣と芋のコントラスト、揚げと蒸しを重ねた仕事が生む奥行きある味わい。季節の素材と向き合う、きん魚らしい一品です。


牛タン鍋
鍋物には、恵那市で育てられている「恵産牛」の牛タンを用いた一品をご用意します。良質な飼育環境で育った牛タンは、きめ細かな肉質と澄んだ旨みが特長。下処理を施したのち、圧力鍋でじっくりと火を入れることで、ほど良い弾力を残しながらも、噛み進めるほどに旨味がにじみ出る仕立てにしています。鍋の中で温められた出汁と牛タンの滋味が重なり合い、身体の芯から静かに満たされていく味わい。力強さの中にやさしさを感じる、季節の夜に寄り添う鍋料理です。
アマゴの蒲焼
焼き物としてお出しするのは、恵那市で養殖されたアマゴの蒲焼です。一般的な塩焼きではなく、甘辛のたれをまとわせて香ばしく焼き上げることで、身の旨みと脂の甘さを引き立てました。下処理を丁寧に施したうえで、焼きと揚げの工程を重ね ることで、骨や頭までやわらかく仕上げ、頭から尾まで丸ごとお召し上がりいただけます。たれの照りと焼き目の香りが食欲を誘い、噛みしめるほどに川魚ならではの滋味が広がる一品。素材の持ち味を活かしつつ、ひと手間を加えることで生まれる、きん魚ならではの味わいです。


冬瓜の春巻き・カニ爪の変わり揚げ
揚げ物としてご用意するのは、冬瓜の春巻きとカニ爪の変わり揚げです。地元で採れた冬瓜は、下煮をして味を含ませ、やさしい旨みを引き出したうえで庵に仕立て、春巻きの皮で包みました。噛むと中からとろりと広がる滋味が、揚げた皮の香ばしさと調和します。カニ爪は、砕いた柿の種を衣に用いることで、軽やかな歯触りと香ばしさを添えました。馴染みのある素材にひと工夫を加え、食感と味わいに変化を持たせた一皿。きん魚らしい遊び心と丁寧な仕事が感じられる揚げ物です。



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